労基署の立ち入り調査目安 残業”100時間”から”80時間”に引き下げへ

こんにちは。RyoMaです。

政府は「1億総活躍プラン」の働き方改革の柱の1つとして、「長時間労働の是正策」を盛り込む方針だ。

その是正策として、1カ月の残業が100時間に達した場合に行う、労働基準監督署の立ち入り調査の基準について、80時間への引き下げを検討していることが明らかになった。

この政策によってどんな影響がでるのか?

労基署の立ち入り調査目安 残業時間引き下げへ

労働基準監督署は最低労働基準の遵守について事業者等を監督する機関。労働基準違反をした事業者に対して立ち入り調査を実施している。

その立ち入り調査の1つの目安として残業時間があり、現状「一ヶ月の残業時間が100時間を超える場合」だった。

しかし今回「1億総活躍プラン」の方針として「80時間」に引き下げを検討している。

狙い

政府の狙いは、子育て中の女性や高齢者が働きやすい環境を整えるということ。

残業時間が減ることにより、帰宅が早まることにより家族とのふれあう時間の増加、高齢者の体力面を考慮して残業時間を減らすというものだ。

残業80時間は過労死のライン

健康障害と長時間労働の因果関係で、健康障害の発症2~6ヶ月前に80時間を超える残業をしていると健康障害になりやすいとの見方がある。

そして今回の立ち入り目安の残業時間引き下げが80時間となっている。引き下げ後の時間は過労死のラインと同じである。

サービス残業

80時間に引き下げた場合、わたしたちに良い変化はあるのでしょうか?

ネットでは結局のところ「サービス残業が増えるだけではないか」という声があがっている。

日本労働組合総連合会が20~59歳の男女雇用労働者3000名に調査したところ、4割強が「サービス残業をせざるを得ないことがある」と回答している。

結果的にこの政策はサービス残業時間が増えてしまう可能性がある。

そうなってしまうと、政府の打ち出す「働きやすい環境を整える狙い」から大きくかけ離れてしまうのではないか?

まとめ

結局のところ労基署の立ち入り調査目安 残業時間引き下げを受けて、事業者がどのような対応をするかに委ねられている。

現状、厚労省が昨年11月に労基法違反が疑われる5031事業所を対象に「過重労働解消キャンペーン」を実施したところ、全体の73.9%で労基法違反が認められている。そのほとんどが「労働時間」に関する事項だ。

そんな中でのこの政策は吉とでるか凶とでるか。

今回の報道であなたの仕事環境を改めて考えるきっかけとしてほしい。

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