よく上司から「プレゼンテーションの資料作成よろしく」と私は言われていました。そのたびに、憂鬱でいやな時間が流れるのです。
避けて通りたいけど、なかなか避けることができないのがこの「プレゼンテーションの資料作成」ではないでしょうか。実は社会人の約7割の人がプレゼンテーションの資料作りを不得意と認識しているデータがあります。
不得意な理由として
・何をどうまとめていいか分からない
・効果的な文章を考えるのが苦手
・分かりやすく伝えるのが苦手
・うまくまとまらず、資料作りに時間がかかってしまう
・配色とか図形の使い方にセンスがない
実際に資料作りに失敗した例
・作りこみすぎてしまい、すぐに訂正開所を対応できなかった
・文字や図が小さすぎて、後ろの人まで見えていなかった
・文字の大きさや配色や位置がバラバラだった
・カラフルすぎて何が重要か伝わらなかった
・資料作成に時間を使いすぎて、間に合わず見直すことができなかった
もちろん、誰しもが1回で完璧な資料を作ることが難しいとは思います。回数を重ねて慣れていくものでもあります。
しかし、この基礎を抑えておけばもう資料作成は怖くありません。
では、まずここから始めます。
プレゼンテーションとは
情報伝達手段の一種で、聴衆に対して情報を提示し、理解・納得を得る行為を指します。 略してプレゼンとも呼称されます。
資料作成の基本
まず大前提として、プレゼンテーションの資料とは“自分の言いたいことをいう”のではなく、“相手の知りたいことを示す”ということを基本にします。そして、相手が内容を理解するために手取り足取り尽くすことです。プレゼンテーションとは、相手への“プレゼント”です。相手(=お客様)にプレゼントをするという気持ちで資料を作っていきます。
では、早速プレゼンテーションの資料作成を始めしょう。
1.手書きのシナリオ作成
手書きで構わないので、プレゼンテーションの構成・内容を文字に起こしてみましょう。
その際のポイントとして
「5W1H」を整理する
Why:なぜそれが必要か
What:どんなものを提案するのか
Where:どこでそれを実施するのか
When:いつそれを実施するのか
Who:誰が実施するのか
How:どのようにしてそれを実現するのか
How Much:いくらの予算で実施するのか
その後に、構成の組み立てを考えましょう。
タイトル:効果のみえるタイトル
課題:問題→課題を共有
解決策:具体的な解決策を提示
提供メリット:相手のメリットを明示
裏付け:メリットの裏付けをデータや事実で提示
行動喚起:相手の行動を促すメッセージ
ここで一番重要な要素は、このプレゼンテーションが聞き手にとって「メリットがある」ことをしっかり伝えることです。もちろん“その証拠(裏付け)”も必要です。相手が何を一番に必要としているか、把握しながら構成を組み立てていきましょう。
2.イラストや図写真を効果的に見せよう
イラストや写真を効果的に見せるためには、”ホワイトスペース”を意識することが大切です。ホワイトスペースとは、つまり“空白の部分”のことです。何も置かれていない“空白の部分”をつくることによって、配置したイラストを際立たせることができます。単に「なんとなく淋しいから」という理由でホワイトスペースを埋めてはいけません。ホワイトスペースを上手に活用していきましょう。
3.グラフや表を活用しよう
データや数値に基づいてプレゼンテーションを行うとき、グラフや表の利用はとても効果的です。でも、ただ単純にデータを載せるだけでは、プレゼンテーション資料にはなりません。そのグラフや表で、「何を示したいのか」を明確にし、示したい部分だけを強調することが大切です。
縦軸の数値の幅を変更する
強調したい数値の差が分かりにくい場合は、目盛りの表示を変更するのも重要です。
余計な情報は入れない
50年分の情報や、余計な引き出し線などを取ることで強調したいデータが分かりやすくなります。
強調したい情報の色を変更する
赤やオレンジといった目立つ色で強調するのも良いでしょう。
4.おすすめのアニメーション効果
プレゼンテーションの資料作りに欠かせないのは、アニメーション!と思い、1ページにアニメーションを多用する場合があります。しかい、究極のアニメーションの使い方というのは、相手にアニメーションだと気付かれないことなのです。ちゃんと説明の流れにのっとったアニメーションになっていると、人は話の内容に注目して聞くわけです。変にぴょこぴょこ出てきて、「アニメーションだ」と思われたら、意識が本題からそれてしまいます。
フライスルー
次のスライドが飛び込んでくるような画面切り替えです。目を惹きつけたいときに効果的です。
ブッシュ、もしくはパン
箇条書きを「1文1スライド」に分割して見せたいときに効果的です。
フラッシュ
すべてを統括するような見せ方が可能です。
5.おすすめのフォント
スライドプレゼンテーションの場合、大前提になるのは「相手にスライドの内容が見えること」です。実際多くの人が、内容を詰め込みすぎて文字が小さくなってしまい、見えないプレゼンをしてしまいます。見えないというのは、「伝わる力がゼロ」なのです。
スライドに文字を入れる場合は、相手が読める文字の大きさを意識しましょう。スライドの目的は「読ませること」ではありませんから、可能ならば文字を図式や写真に変換して“ビジュアル化”をおすすめします。「見てわかるスライド」を目指しましょう。
フォントが与える印象
迫力・インパクト重視:ゴシックモード
柔らかい・知的な印象:明朝モード
文字の大きさの種類
フレーズとしての文字(見出し系):大きく読みやすくする
説明文としての文字(本文系):行間に配慮しながら全体が読めるように
図形内の文字:「図形の書式設定」ダイヤログを使用し、図形内で大きさを調整する
インパクトを与えるテクニック
・色を変える
・四角で囲む
・飛び出すアニメーション
まとめ
いかがでしたでしょうか。
プレゼンテーションの資料というのは、“見た目”がとても重要とされます。どんなに内容がよくても、「何か見にくいな」「雑だな」「ずれているな」と思われた瞬間に、企画そのものの中身も良くないと印象づけられてしまう可能性があります。時間がかかるかもしれませんが、細部にまでこだわり、手抜きをせず資料作成を行いましょう