1985年の日清焼きそばUFOのCMキャラクターに選ばれ、日本で大ブームとなったウーパールーパーこと「メキシコサラマンダー(メキシコサンショウウオ)」が現在原産国のメキシコで絶滅の危機にあることが明らかになった。
原因は水質汚染
メキシコサラマンダーはメキシコの湖に生息するサンショウウオの一種。
生息域が開発や水質汚染、公害によって数が激減したことから、2000年頃にレッドリストに入った。
数を減らしていたメキシコサラマンダーだったが、最近になって新たに入ってきた食欲旺盛な外来種の登場で数が激減している。
外来種は市街地にまで生息域を拡大し、メキシコサラマンダーの生息域を奪い絶滅を加速させているようだ。
推測では、2020年(東京オリンピックの年)にはウーパールーパーは絶滅する恐れがあるとされている。
絶滅危機への取り組み
現在、絶滅回避を目指す科学者らの活動も盛んになってきている。
メキシコのある生物学者チームは、メキシコ市南部の「チナンパス」と呼ばれる水上の浮島で活動する農場と協力し、メキシコサラマンダーの生息地となるチナンパスの保全に力を入れている。
しかし、農家の移転でわずかに残っていたチナンパスが放置され、浮島農業の従事者自身が絶滅の危機に瀕してる。
メキシコサラマンダーと農家を救うため、この地域の農業従事者を「メキシコサンショウウオに優しい」という認定を行い、環境意識の高い消費者向けの農産物を販売できるプログラムに組み込む試みが始まっている。
日本への影響は?
日本国内で販売されているウーパールーパーはその全てが養殖(ブリード)個体であり、原産国(メキシコ産)の個体はワシントン条約で取引が禁止されている。
また一般的には品種改良された個体が市場(ペット、食用など)に流通しているので、いまのところ日本国内への影響は少ない。