はじめに
早口で話していくときと、ゆっくり話をするのでは、聞き手に対する印象は違ってきます。
早口であると落ち着かない印象や頭が良いという印象を与え、ゆっくりとした話し方は落ち着いた印象や、のんびりした印象も与えます。
このように話すスピードで相手に対する印象が変わるのであれば、あなたが話すスピードを意識的に変えることで、相手への印象をコントロールすることができるということです。
話すスピードを意識
1分間で300文字が理想
一番に意識してほしいスピードは、アナウンサー学校などでいわれている「1分間に300文字のスピードで話す」ということです。このスピードが人に最も伝わりやすいスピードになります。
大まかなイメージでいいますと、日頃みなさんが話しているスピードを若干遅くしたくらいになります。
このスピードを基本とするために練習してください。練習方法は簡単で、タイマーで1分はからながら300文字の例文をぴったりの時間読み終えるように、体でスピードを覚えてください。
こちらが300文字の例文です。
1分間ちょうどを意識して読んでください。
回転ずし店である物が目に止まった。一皿だけレールから外れたすしがあったのだ。
それに店員も気づき、すぐ皿ごとすしを捨てようとする。レールから少しでも外れたら捨てられてしまうのか。その事実が今の私には重い。
私は先日、大学を辞めた。順調な人生という名のレールから外れたのだ。私もレールを外れたからにはあのような扱いを受けるのか。私は耐えられなかった。
「そのおすし、私が食べます。お金も払いますから」
唐突な私のお願いに店員が困惑の表情を浮かべる。しかし何度も頼むと渋々机にすしを置いてくれた。
捨てられかけたすしをじっくり味わう。例えレールから外れていても、そのすしは他の物と同じようにおいしかった。
(300文字)1分で読める300文字小説シリーズ「レールから外れて」
いかがですか?ほとんどの方が1分より早く読み終えてしまったのではないでしょうか?
早口を使うタイミング
先ほど最も人に伝わりやすいスピードについて話しましたが、これを基準のスピードとします。
それでは、その基準より早いスピードで話すタイミングとその効果についてお話しします。
早口を使う一番効果的なのタイミングは「相手を説得したい時」です。
相手を説得したい時に早口になることで、相手を引き込むことができます。
「説得」と聞くとゆっくり話して懐柔するイメージがあるかもしれませんが、デキる営業マンのほとんどが、相手を説得する時は早口になる傾向があります。
早口で断言することによって、相手に信頼感を与えることができます。
ただ受け手の印象として時に、警戒心を与えてしまうことがありますので、早口が威圧的にならないように注意も必要です。
ゆっくり話すタイミング
先ほどの早口で話すタイミングの中に、ゆっくり話すことを意識的に盛り込むとさらに効果的です。
早口で相手を自分に引きつけたら、「肝心な部分」だけゆっくり話すようにしましょう。
ゆっくり話すことで、相手に安心感を与えることができるとともに、相手の印象に残りやすくなります。
さらに効果を発揮させたいなら、「間」にも気をつけることです。話し言葉にはリズムがあります。リズムは聞き手にとって、話がスッと入ってくるかどうかの大切なものになります。
このリズムを作るための有効な手段が「間」なのです。
早口で話した後、「間」を置いてゆっくり話し始める。そしてまた早口に・・。
この静と動のリズムが聞き手にとって引き込まれやすい話し方になります。
まとめ
早口とゆっくり話すタイミングが習得できれば、営業を有利に進める武器として必ずあなたの力になります。
タイミングやコツをつかんでしまえば、話し方は自分に馴染み頭で考えなくても体に染みつきます。
まずは、意識的に言葉を早めたり、遅くしたりして自分にあったリズムを習得することから始めてみてください。